研究紹介

 顎口腔矯正学分野はヒトの成長発達、加齢にともない変化する顎口腔系の異常な形態や機能の診断と治療に関する研究を行うとともに、それらの原因を追求する新たな診断法、治療法の開発、歯の移動や顎顔面の成長のメカニズムの解明を目指し、多方面にわたる臨床的・基礎的研究を行っています。


 近年、矯正歯科治療は、医用材料および技術の進歩によって、従来の治療方法と大きくかわってきました。顎口腔矯正学分野のヒトを対象とした研究プロジェクトとして、歯科矯正用アンカースクリュー、顎口腔機能の解析、機能的矯正、睡眠時無呼吸症候群、顔貌の審美性と脳機能に関する独創的な臨床研究があります。また、生物学的背景に関する研究プロジェクトとして、歯の移動のメカニズムやメカニカルストレス応答機構の解析、歯の再生研究の新しい技術の開発に取り組み、矯正治療技術の開発と基礎研究成果を融合一体化させて歯科矯正学の基盤進展を目指して、医療全体の発展に貢献しうる研究を行っています


 また、エッジワイズ治療の固定源や顎骨成長コントロールに歯科矯正用アンカースクリューを取り入れ、その技術の開発、改良を行ってきました。更に、特殊な技術を必要とする歯列内側からのエッジワイズ治療も積極的に行っています。これまで数多くの国際誌ならびに国際学会招待講演にて研究発表を行い、国内外に新たな情報発信をしています。

顎口腔矯正学分野 教授 溝口 到

  • 骨組織がメカニカルストレスに応じて変形する過程を探る研究
  • 顎顔面頭蓋の正常並びに異常な発生及び成長変化に関する研究
  • 軟骨細胞の機械的刺激に対する反応機構
  • 骨細胞、歯根膜細胞の細胞組織学的、分子生物学的研究
  • 人工歯胚の再生に関する基盤的研究
  • 矯正力による歯の移動に関する基礎的・臨床的研究
  • 矯正力によって生じる痛みの制御に関する基礎的研究
  • 咬合改善の機能的評価に関する研究
  • 歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療法の開発
  • 破骨細胞分化・活性化機構の解明と病的骨吸収の抑制因子の同定
  • 金属アレルギー患者用材料の開発
  • 唇顎口蓋裂、顎顔面先天異常診断と治療に関する研究